スパイダーモアとはなにか?
「スパイダーモア」。農機具類の名前ですがいったいなんだろう。
spiderは”蜘蛛”、mowerは” 草刈機 ”、” 蜘蛛の草刈機 ”という意味ですね。知っているヒトは知っているけど、なんだかわからないヒトもいる「スパイダーモア」。
わたしたち農機具屋が、「スパイダーモア」について、より詳しく説明したいと思います。
スパイダーモアとは?
草刈機のことをインターネットなどで調べたりしていると、「スパイダーモア」をいうコトバをよく目にしませんか?
スパイダーマンみたいに壁に張り付いたりすることができる草刈り機じゃないかなと想像できたりしますよね。
そうです、スパイダーモアは、スパイダーマンのように畦(あぜ)などの斜面に密着して草を刈ることができる草刈機です。
ただ、スパイダーモアは商品名。オーレックの自走式 斜面用草刈り機の名前です。
一般的には、”畦(あぜ)草刈機”とか”法面(のりめん)草刈機”と言われていますが、ここでは「畦草刈機」に統一したいと思います。
畦草刈機のメリットとデメリットは?
畦草刈機のメリットは、斜面の草を楽に刈れることです。
刈払機でもやれないこともないけれど、重い機械を無理な体勢で振るのでかなり体力を消耗します。そして、なにより危険です。
その点、畦草刈機は自走するので、使うヒトはハンドルで方向をコントロールするだけ。
疲労度がまったく違います。しかし、刈払機を経験したヒトの多くが畦草刈機のパワーにもの足りなさを感じるのは事実です。
理由は、ひとつのエンジンで”走行”と”刈り”を同時にやっているのと、4サイクル・エンジンが搭載しづらいから。
ただ、メーカーは、なかでも軽量で高性能の2サイクル・エンジンを搭載して、パワーアップの努力をしています。
畦草刈機はどんなメーカーがつくっている?
畦草刈機をつくっているメーカーは大きく2社。
ひとつはスパイダーモアの名称で販売している「オーレック」です。オーレックは、共立とヰセキ系のアグリップにOEM供給しています。
もうひとつは、「斎藤農機製作所」。本社が山形県酒田市にあるメーカーです。クボタと丸山製作所の畦草刈機は、斎藤農機製作所がつくっています。
世の中の畦草刈機は、このふたつのタイプに集約されるわけですが、機能はほぼ同じで、大きな違いはハンドルの位置です。
オーレックス製は後部に、斎藤農機製作所製は横についています。どちらが使いやすいか使いにくいか? 正解はなし。自分の感覚で決めればいいと思います。
畦草刈機の使い方
まず、畦をチェックしましょう。
メーカーもフリー刃など障害物から刃を逃がす工夫をしていますが、やはり石は難敵です。転がっている石は除去し、埋まっている石はマーキングしておきます。
使い方は、斜面の上部から横移動して草を刈っていく。
折り返したら、一段 下にスライドさせて逆方向に動く。徐々に下げていきますが、上級機はハンドルが伸びるので作業者は斜面を降りる必要はありません。
また、畦草刈機は長すぎる草が苦手です。
なので、あまり長くならないうちに刈り取らなければなりません。
刈払機で30日周期で草刈り作業していたとしたら、畦草刈機は20〜25日ほどのスパンになるようなカンジです。
畦草刈機の主な型式や特徴は?
オーレック製も斎藤農機製作所製もグレードの違いは、刈幅と刈高、それに伴って増えるエンジンの排気量、そして、ハンドルの調整可能な長さです。
刈幅はオーレック製で300mm・430mm・500mmとあって、排気量は34.4cc・47.1cc・79.4ccとなっていきます。
斎藤農機製作所製だと、刈幅が300mm・400mm・500mmで、排気量は25.4cc・47.1cc・47.1ccです。
刈高は、グレードが上がるほどに幅が広くなります。
ハンドルは長さ調整ができ、オーレック製も斎藤農機製作所製も最長2mまで伸ばせますが、グレードの低い機種は固定式です。
いずれのハンドルも180度回転が可能。使いやすい角度で固定できます。
畦草刈機の選び方のコツは?
はっきり言うと、予算の許す限りグレードの高い機種を選ぶべきです。
理由は、上級機種になればなるほど刈幅が広くなるので効率的だから。
刈高の幅も大きいのでいろいろな草に対応できるから。ハンドルの長さが2mまで伸ばせるので広い範囲での作業が可能になるから。
なによりいいのは、パワフルなことです。
畦草刈機は、斜面を動くので できるだけ軽くしなければいけないので、エンジンも軽量にならざるを得ない。
なので、各メーカーは、エンジンの重量と馬力のバランスを考えて最高のパフォーマンスの出せるエンジンを選んでいますが、低馬力の機種は基本的にパワー不足。
ストレスを感じないのは上級機種です。
畦草刈機のよくある故障やトラブルについて
畦草刈機の故障やトラブルが多いのはエンジン周り。
「エンジンがかからない」「途中でエンジンを止めると再始動できない」といったトラブルがよくみられます。
エアクリーナーの汚れや、キャブレターの不良がおもな原因です。
刈刃の回転部分のトラブルもあります。
ナイフが回らなくなってしまうのは、回転軸の問題。ベアリングの破損を疑ってみるべきです。走行のための4輪が一部 回らないというトラブルもあります。
考えられる原因は駆動チェーンの切断です。チェーンが切れると、チェーンガイドも変形している可能性もあります。
この場合、チェーンとチェーンガイド 両方の交換が必要です。
自分でできる畦草刈機のメンテナンス
自分でできるメンテナンスは、ミッションオイルの交換、エアクリーナーの掃除、刈刃の交換、燃料の抜き取りです。
ミッションオイルの交換は初回は20時間使用したら実施、それ以降は100時間毎に行ってください。
ホコリを舞い上げて動く草刈り機の作業環境はかなり過酷です。
エアクリーナーの掃除は頻繁にやりましょう。できれば、燃料の給油ごとがベストです。
磨耗、曲がり、欠損があったら刈刃の交換。刈刃の着脱は製品に付いている「刈刃着脱用工具」を使ってください。
オフシーズン前に行うのが燃料の抜き取りです。
燃料は劣化するのでかならず抜きましょう。いずれの作業も取扱説明書に従うのが原則です。
畦草刈機で交換が必要になる部品について
畦草刈機でよく交換する部品は刈刃です。
刈刃は左右が同じように磨耗するので、交換する時は、かならず全部を一度にやりましょう。
刈刃とボルトは一心同体。
同じ時期に劣化するのでボルトも同時に交換します。刈刃交換の際は、メーカーの純正品を用いるのが原則です。
社外の刈刃を使うと危険にさらされる可能性があるだけでなく、故障と事故に関わる保障の対象外になってしまいます。
エアクリーナー・エレメントも自分で交換できるパーツです。
交換時期は、メーカーや機種によって違いますが、50〜100時間が目安。取扱説明書で確認してください。
エアクリーナー・エレメントも純正品を使うことをお忘れなく。
畦草刈機はレンタルできるか?
畦草刈機の価格は20万円前後、1〜3万円代の刈払機に比べると、とても高い。
買うとなるとちょっとしり込みしてしまいます。
雑草が静かにしている冬場は使用しないし、シーズンになってもそう頻繁に使うわけではない畦草刈機。皆さんが「ないものか?」と考えるのがレンタルです。
そんな「買うまでもない派」のニーズに応えるために、最近 畦草刈機をレンタルしてくれるお店が増えています。畦草刈機のレンタル「買うまでもない派」以外にも「試しに使って よかったら買うか派」にも好評です。
万が一に 故障があっても、修理代や部品代が保障される低料金の保険も用意されているので、安心して使用することができます。